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調査・報告

HoT-JeTリレー:北海道・東北の登録日本語教員養成機関のご紹介(国際教養大学)

  • HoT-JeTリレー
  • 東北
  • 秋田県

「HoT-JeTリレー」は、北海道・東北の教員養成の現場から教育現場までさまざまな現場を紹介してもらう企画です。今回は、北海道・東北の登録日本語教員養成機関のみなさんに、その課程の特色や工夫についてご紹介いただきます。この記事が、養成機関同士の知見を深める場となり、また、日本語教育の未来を担う人材の育成に役立つ一助となれば幸いです。各機関の記事を、ぜひご一読ください。なお、この記事は掲載時点の情報が掲載されています。最新の情報は各機関にお尋ねください。
 

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国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科は2008年4月に開学し、同研究科の日本語教育実践領域(JLT)は日本で唯一の日本語教育専門の専門職大学院として、16期生までの修了生109名を輩出してきました(2025年8月現在)。そのうち6割以上が国内外の日本語教師または日本語教育関連の仕事に従事しています。修士課程のみですが、専門職大学院であるが故に、大学院修了後にすぐ教壇に立てる、高度専門職業人としての日本語教師の養成を目指しています。

JLTは、修士課程1年次に日本語教育に必須の50項目を含む言語学・応用言語学分野の科目を履修し、2年次には秋学期・冬期プログラム・春学期の各期に教育実習を行うことにより、理論と実践を架橋できるプログラムになっています。1年次・2年次とも国内外での教育経験豊富な専任教員が指導にあたりますが、特に2年次の教育実習コースでは全教員が担当となり、実習生は複数の教員(又は全教員)から指導が受けられる体制になっています。

JLTの主な特色として、以下のようなことが挙げられます。

1)質量豊富な教育実習:修士課程2年次の秋学期に文法シラバスの初級教科書を使って本学留学生を相手に日本語文法項目の指導を行います。次の冬期プログラムでは、台湾の提携大学からの初中級レベルの短期交換留学生に対して、教科書を使わず、彼らのニーズを反映するタスクベースの指導を行います。最後の春学期には、実習生が複数の海外提携大学に分かれて派遣され、現地の学生のための特別授業を開講して冬と同様に学習者のニーズに合ったタスクベースの授業を行います。
2)多国籍・多文化の生活・教育環境:本学のキャンパスには50以上の国・地域から200名以上の留学生が集まります。普段の生活でも彼らと接する機会は多く、教育実習のみならず、チューターやボランティアとして日本語学習のサポートをしたり、イベント等で文化交流をしたりする機会に恵まれています。
3)実際の現場で自己成長を続ける省察的実践家の養成:修士課程2年次の教育実習を通して行うアクション・リサーチを通じて日々の教育実践の振り返りと改善を行う自己研修能力を身に付けます。冬と春に行われる教育実習ではグループでの指導となるため、他の同僚教師との協働といったスキルを身に付けます。また、それらの教育実習では日本語指導だけでなくプログラムの企画・運営も行い、関連部署やスタッフとの連携を含むコーディネーション能力も身に付けます。

JLTでは今後も引き続き、時代の要請に応じ、登録日本語教員や国内外で活躍できる日本語教員の養成に取り組んで参ります。

(国際教養大学専門職大学院 日本語教育実践領域 堀内 仁)


秋の教育実習

冬の教育実習(授業)

冬の教育実習(フィールドトリップ)

冬の教育実習(雪だるま作り)

春の教育実習(1)台湾

春の教育実習(2)マレーシア

 

 

 

 

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